口蹄疫の防疫進捗について調べてみた

口蹄疫の殺処分が大幅遅れ 1 - 松永和紀blog
農林水産省が殺処分を記載してないとの記事ですが、農林水産省の口蹄疫情報ページの中に、各農家別の状態についての記載があります。

宮崎県の口蹄疫に対する防疫措置について:農林水産省
ステータスは5段階で、

  • 処分地未割り当て
  • 処分地割り当て済み(殺処分はしていない)
  • 殺処分中
  • 殺処分完了
  • 防疫完了

の5段階。
上から順番に進行していく形らしい。
Tracのワークフローとかと同じように考えるとわかりやすい。
いままでの農家毎にインデックス番号が振られているので、上記とすりあわせである程度の現状把握が可能です。
せっかくなのでデータをまとめてみました。

2010/5/11現在の口蹄疫 防疫進捗

状態 頭数
処分地未割り当て 16335
処分地割当済み 22319
殺処分中 26679
殺処分完了 300
防疫完了 9922


これを見ると5/11現在で処分処理を開始できていない頭数は4万9千頭前後。
ついでに48時間以内の処分が望ましいとのことなので、処分地割り当て済み・未割り当ての頭数を確認日が5/9より前と後で分けてみた。

日付 頭数
5/8以前に確認 25869
5/9以降に確認 12785

全体割合で言えば3割、2万6千弱の対象家畜が未処分の状態で48時間以上が経過していることがわかる。


とはいえ、正直これを今から二日以内に全頭処分というのはどう考えても困難です。
整備された屠殺場ではなく、外部での屠殺、しかも各牧場の場所が分散している状態では、効率のよい処分は望めないでしょう。
一頭あたりのタクトタイムが二分だとして、一時間で30頭、寝る間も惜しんで12時間労働としても360頭、5ライン構築しても1800頭/dayが限界。
このペースでやるなら5万弱の処分には一ヶ月近い時間が掛かってしまう。
10ラインパラで一頭一分としても7日弱、交替前提で24時フル活動という超非現実的な状況を想定しても4日はかかる計算。
はっきり言って、ここまで膨れあがった数の暴力は、「理想的な処分」はもう不可能な領域に突入してるんじゃないかなあ。


追記:
他の方がグラフを作成していました。
一目で現状の進捗がわかるんで興味のある方は是非下記サイトを確認してみてください。
データで見る口蹄疫対策の緒戦敗北(2010年 宮崎) その3: コンタンのブログ