桜庭一樹「荒野の恋」第一部/第二部

呼んだ後訪れるこの上ない至福感と絶望感。


至福感はともかく、何故絶望かと申しますと。
この作品、全三部作でまだ第三部は出ておりません。
秋山瑞人の「E.G.コンバット」で待たされる悲哀は散々味わったはずなのに。
…はずなのに。
俺はなんど繰り返せば気が済むんだ。名作ほど待たされるこの地獄。


しかし桜庭一樹の文章の透明度は素晴らしい。とにかく綺麗。
ローティーンの少女の儚さを描写させたらこの人の右に出るものはいないんじゃなかろか。
恋愛とか性とかへの距離感の描写が上手すぎる。
あと、登場人物の行動は突拍子ないのに、違和感が無いのは不思議。なんでだろ?


ちなみに大人が読むにはかなり気合が要る本です。
あああ中房にもどりてえなぁ。
でも戻ったらあの中二病の日々がうわああああああああ!(記憶開封)
…気合が要ります。


でも間違いなく名作。おすすめ。