池田大先生の話がややこしい事になっている

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/fcbde8d49beb462e575fb99c3b177494
先生は手の動き一つで天まで届く揉め事の火柱をあげることが出来るという、言うなれば創世の大巨人的な存在(変愚蛮怒的に言うとタイタンの『アトラス』)なので、一つ一つの火柱をピックアップはしていなかったんですが、今回のこれは少々気になる。


まず、池田先生はMIAUに賛同していて、そのMIAUはEMAと利害対立関係にあるということ。
議論が不十分な状態での拙速なネット規制MIAUは反対してた訳で、その規制の先鋒がEMAなのに、MIAUの意見を支持している池田先生がEMAに「このサイトはひどいから規制してくれ!」と言っている構図。わけがわからない。


EMAから見ると、「規制はいかがなものか」と言っていた連中の一人が「このサイトを規制してくれ!」と言っている訳だから、これは一種の皮肉・嫌がらせの類じゃないかとすら思えそうな内容。
しかし、文脈を読む分には、池田先生のはてな嫌いは本物なんで、実際は「はてなを攻撃するためならダブスタなんてなんのその」という所だと思う。


怖いのは、これが単なる一個人のダブルスタンダード問題という所で収束しないかもしれないこと。
池田先生は、俺のようなそこらへんの泡沫ブロガーとは背景も実績も違う。
上武大学教授であり、ネット問題に長年取り組んできたという実績のある人間が、規制をEMAに求めたという「事実」は、EMAからすれば政治的に十分使えるネタとなる。
しかも相手がネット規制反対団体の一員となれば尚更。
「規制に反対をしていた大学教授も考えを改めました!」というパブリシティで規制推進への足がかりを掴むかもしれない。


また、問題としているポイントが、ごく上層から見ると真っ当に見えてしまうのもまずい。
客観的に見て「死ねばいいのに」が誹謗中傷ではないと言い張るのは難しい。
「元はダウンタウンのネタで…」なんて釈明しようが、普通に解釈すれば単なる悪口でしかない。
その上、いわゆる一般人は込み入った揉め事の内容までは読み取らない。
たとえ前振りとしてどんなやり取りがあろうと、「死ねばいいのにと大学教授が言われている」という最後の事実だけで、大多数の人はそれぞれを「正義と悪」というカテゴリ分けで見てしまう可能性も十分ある。
つまり、多数の人への説得力をそれなりに抱えているネタになり得る。
煽りとしては「あなたのお子さんが「死ねばいいのに」と言われて引きこもったららどうします?」といったところか。


最悪なのは、これを足がかりにEMAが本当にはてな規制・ネット規制へ動き出した場合。
池田先生も依頼した以上文句は言わないだろうし、MIAUも池田先生のおかげでダンマリのまま一蓮托生なんてオチになったら本当に笑えない。
それは結局、言葉の表層だけを重要視して、前後の文脈を考慮しない言葉狩り規制への舵取りとなってしまう。


もちろんこれは陰謀論に近い話で、フェイルセーフに日常的に取り組んでる心配性プログラマの妄想ではあるんですが。
上の池田先生のブクマに大喜びで「死ねばいいのに」とかつけてる人を見るとなあ…