馬鹿のために規制を作るのは非常に難しい

そろそろ秋葉原の事件について語ってみるか - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所
はてブでも突っ込んだんだけど、コメントだけだと説明が足りなかったので。


今回の点で突っ込んだのは、ダガーナイフが使われてたのに、id:takernbaが「サバイバルナイフを規制しろ!」という話をしていたから。
要は、知らない人から見るとサバイバルナイフもダガーナイフも同じ扱いになっているという事。
これは、知らない人にとって電工ナイフもツールナイフもダガーナイフと同じ「ナイフ」という扱いになってしまう事を示唆している。


規制をかけられた場合、この手の対象に詳しくないことから来る「とばっちり」は非常に怖い。
id:takerunbaは「使用目的に応じて規制をかけろ」と言いたいんだろうけど、その場合、誰が使用目的を決めるのかという問題がある。
ダガーナイフだって「殺人にばっちりです!」と書いてある訳じゃないし、逆に「調理用です!」と開き直られればどうしようもない。
調理ナイフと登山ナイフをどう定義すれば法令で明確に切り分ける事が出来るか、考えてみればその困難さがわかる。
使用目的による規制が困難だから、現行の銃刀法では刃渡りサイズや構造で切り分けている訳だ。
使用目的の定義付けを明確にするなら、販売前のチェック、つまりすべての刃物の販売を認可性にするしかないという話になりかねない。


何より、サバイバルナイフを規制しておけば今回の事件の様相が変わるとは全然思えない。
id:takerunbaも書いてあるとおり、武器が包丁に変わるだけです。

でもサバイバルナイフがダメだから包丁。まだ意味がある。殺傷能力が下がる。一定の意義はある。規制を考えるならこういう思考が必要じゃないかな。

使ったことある人ならわかるだろうけど、プロ用の調理包丁はそこらのサバイバルナイフなんて目じゃないぐらい危険です。しかも入手も容易。
肉や骨その他を多量に切ってなお切れ味が落ちない事を目的としてるんだから当たり前だけど。
実効性のない上に副作用の大きい規制を推奨するならもう一歩考えを進めないと。


なんでこんな事をつらつらと書いているかというと、うかつに規制されてホームセンターで電工ナイフが買えなくなると色々困るから。
20mm以上の堅めの皮膜ケーブルなんてカッターじゃどうしようもないし。
電気工事士の人は皆泣きますよ。ダイバーも。